2023.03.20

市川のひとりごと vol.33

市川のひとりごと vol.33

2月・3月といえば、企業に於いては決算月の会社も多く、転勤時期でもあります。

また、卒園・卒業の時期でもあり何かと忙しい日々をお過ごしかと思われます。

そんな中、米国では急激な利上げに耐えられなくなった中堅銀行の破綻が相次ぎ

破綻原因は違えども、欧州の中心にあるクレディスイスも経営不振に陥りました。

3/10に破綻した、シリコンバレーBANKは米国カリフォルニア州に拠点を置き新興

企業(クリーンエネルギー業界は1500社以上)に融資をしており、「コミュニティー

ソーラー」プロジェクトでは全米の62%を占める程です。

当行は、顧客からの短期預り預金を、主に固定金利の長期住宅ローン担保証券

や米国債で運用していましたが、欧米の利上げは短期間で上昇したため債券価値

が下がり含み損が膨らんだ結果、破綻に陥りました。本来であれば預金保険が稼

働すれば米国基準で25万ドル(約3400万円)保障されるのですが、保障対象外の

預金比率が9割に及んでいた為その制度は使えません。しかしスタートアップ融資

(新規事業融資)は未だ安定期に入っていない企業ばかりなら、今回の破綻によ

る他銀行への借換は難しい要件となれば連鎖倒産に繋がります。

3/12にはニューヨーク州に基盤を置くシグネチャーBANKも連鎖的に破綻しました。

日本の預金保険制度は⇒こちら

これを重く見た米政府とFRBは特例を発動しました。⇒米政府の対応

破綻した2行では顧客への預金を全額保護し、銀行には現在保有の米国債とMBS

(住宅ローンの元本や利子の返済資金を裏付け資産として発行される証券)を担保

として最長1年の融資を受けられます。そもそもは、規制当局の監査が甘かった結

果だと私は思いますが、、、

他人事で済まされないのは、日本の厚生年金や国民年金の積立金を運用する

年金積立金管理運用独立行政法人の公表資料によると、運用先に、この2行の

株式と債券を合わせて約550億円保有しており、今後の公的年金原資が目減りし

ないか心配なところです。

国内の住宅ローン金利は、変動型は0.3%台から1%未満、長期固定型のフラット

35でも1.5%台に対して、米国の住宅ローンは6%台に上昇しています。返済不能

になり住宅ローン破綻を起こす人が増えれば、2008年のリーマンショックの二の舞

になってしまうことも想定できます。

米国の動向が気になるところですが、状況が変わる事があればこちらのコラムで

お伝えして行きます。

ようやくコロナによる外出自粛も解禁になりました。足止めにより実家に帰れなか

った方も、21日は春彼岸です。久しぶりにお墓参りに出掛けてはいかがですか?

陽気も春めいてきましたので、家に閉じこもっていないで外に出てリフレッシュしま

しょう!これも経済効果の一因となりますよ。

 

市川のひとりごと、、、でした。

プロフィール


株式会社 financial proxy

代表取締役 市川恵美子

1995年に長野県初の独立系FP会社を設立。日本FP協会認定教育機関として、FP養成講座を開講。現在は、セミナーの他、専門家の協力を得ながら財産コンサルに伴う相続対策・住宅ローン相談や保険の見直し等、生活にまつわる資金設計を行う。

ヤマウラ様とのお付き合いは25年を迎え、毎年社内の営業担当者向け勉強会を実施、また、個別相談も承っております。

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